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SEO外注の費用は何に払っているのか。工程別の内訳と、成果が見えないときの検算手順

この記事でわかること
  • 依頼範囲ごとのSEO外注費用の目安と、同じ金額でも中身が違う理由
  • 請求書に載らない社内コストを含めた総額の出し方
  • 支払った金額に対して何が返ってきているかを検算する3段階
  • 成果が見えない契約を立て直す順番と、切り替え前に確認する権利・権限

SEOを外注して半年、毎月の請求書は届くのに、問い合わせが増えた実感がない。上司から「この費用は何に払っているのか」と聞かれて、うまく答えられなかった。外注費の相場を調べ始めるのは、たいていこのタイミングです。

ところが相場を調べても、「月額10万円から50万円」「記事1本数万円から」といった幅の広い数字が並ぶだけで、自社の支払いが高いのか安いのかは判断できません。同じ「SEO外注」という言葉でも、頼んでいる作業の範囲がまったく違うからです。

この記事では、SEO外注の費用を依頼範囲と工程に分解し、請求書に載らない社内コストを足したうえで、支払った金額に対して何が返ってきているかを検算する手順をまとめます。成果が見えないまま契約を続けている場合に、どこから立て直すかの順番も扱います。

結論を先に書くと、外注費が妥当かどうかは相場との比較ではなく、納品物の数と成果へのつながりで判断するのが確実です。

SEO外注費用の相場と、依頼範囲ごとの目安

SEO外注の費用は依頼範囲で決まることを示す図
SEO外注の費用は依頼範囲で決まることを示す図

SEO外注の費用は、どの作業を外に出すかでほぼ決まります。まずは公開されている目安を依頼範囲ごとに整理し、そのうえで相場表だけでは判断できない理由を確認します。

依頼範囲別の費用の目安

SEO支援会社などが公開している解説記事では、依頼範囲ごとにおおよそ次のような目安が示されています。数値は下記の記事に掲載されたもので、実際の見積もりはサイトの規模や競合状況で上下します。

依頼範囲主な作業公開されている目安
SEOコンサルティング方針設計、改善提案、定例月額10万〜30万円程度
コンテンツSEO支援キーワード設計と記事制作月額30万円以上
記事制作のみ構成、執筆、編集1本あたり数万円〜10万円前後
スポットの診断現状分析と改善提案書数十万円〜100万円前後
フリーランスへの依頼範囲は個別に取り決め月額5万〜20万円程度

出典: https://www.geo-code.co.jp/seo/mag/seo-outsourcing-cost-comparison/

コンサルティング単体の料金体系や、見積書で確認する項目については、別の記事 https://qujiraseo.com/blog/seo-consul-hiyo-soba/ で詳しく整理しています。この記事では、記事制作や内部改善を含めた外注全体の費用を扱います。

同じ金額でも中身が違う理由

月額30万円という見積もりが2社から届いたとしても、片方は記事4本の制作込み、もう片方は提案と定例だけ、ということは珍しくありません。金額が同じでも、手元に残る成果物は大きく違います。

差が出やすいのは次の3点です。

  • 記事制作が月額に含まれるか、1本ごとの別料金か
  • 内部改善を提案で終えるか、実装まで担うか
  • キーワード選定や構成を外注先が作るか、発注側が用意するか

この3点が揃っていない見積もり同士は、金額だけ並べても比較になりません。

見積もり前の依頼範囲の書き出し

相場との比較で失敗しないためには、見積もりを取る前に「自社が外に出したい作業」を書き出しておくことが先です。キーワード選定、構成作成、執筆、編集、専門家の監修、CMSへの入稿、内部改善の実装、効果測定、報告。これらのうち、社内でできるものと、できないものに印をつけます。

この一覧があれば、見積もりを受け取ったときに「この金額にどの作業が含まれていて、どれが含まれていないか」を外注先に確認できます。すでに外注している場合も、契約書と照らし合わせて同じ一覧を作ると、現状の支払いの中身が見えてきます。

外注費の内訳を工程に分解する方法

外注費を調査、制作、実装、計測の工程に分解する図
外注費を調査、制作、実装、計測の工程に分解する図

見積書や請求書には「SEO支援 月額一式」のように1行で書かれていることがあります。この1行を工程ごとに分けると、どこにお金がかかっていて、どこが手薄なのかが分かります。

調査と設計の工程

キーワード選定、競合調査、サイト全体の構造設計などが該当します。成果物は、キーワードの一覧と優先順位、記事ごとの構成案、サイト構造の改善案です。

この工程は契約の初期に集中しやすく、2ヶ月目以降は作業量が減るのが普通です。それでも毎月同じ金額が請求されている場合は、初期の設計費用を分割して払っているのか、継続的に調査を続けているのかを確認する価値があります。どちらなのかで、契約を見直すときの交渉の余地が変わります。

記事制作の工程

記事制作は、構成、執筆、編集、事実確認、監修、画像作成、入稿という複数の工程に分かれます。記事単価の差は、主にこのうちいくつの工程が含まれているかで生まれます。

工程含まれないときに社内で起きること
構成作成担当者が検索結果を調べて見出しを作る
編集と事実確認納品された原稿を社内で直す
専門家の監修社内の有資格者や現場担当に確認を依頼する
入稿と装飾CMSへの流し込みと画像設定を社内で行う

単価が安い記事制作は、表の右側の作業が社内に残っていることが多く、請求額だけを見ると割安に見えます。

内部改善と報告の工程

内部改善は、提案書を出すまでなのか、実際にサイトを直すところまでなのかで費用が大きく変わります。提案だけの契約で社内に実装できる人がいない場合、提案書がたまっていくだけで、サイトは何も変わりません。

報告の工程も分けて見ておきます。月次レポートと定例会議にかかる時間は、外注先にとっても人件費です。報告の比重が大きい契約では、実際の改善作業に使われる時間がそのぶん少なくなります。

請求書に載らない社内コストと総額の出し方

請求額の外側にある社内コストを示す図
請求額の外側にある社内コストを示す図

外注の費用を考えるとき、請求書の金額だけを見ていると実態より安く見積もることになります。外注していても、社内には確認や調整の作業が必ず残るからです。

確認とディレクションにかかる時間

納品された原稿の確認、事実関係の修正依頼、定例会議への出席、社内の関係部署への説明。これらはすべて社内担当者の時間を使います。特に専門性の高い商材では、外注先のライターが書いた原稿を現場の担当者が直す時間が、想定よりも膨らみがちです。

外注を始める前に「月に何時間なら確認に割けるか」を決めておかないと、確認が追いつかず、納品物が公開されないまま積み上がります。

実装待ちで止まっている期間

もう一つ見落としやすいのが、施策が止まっている時間です。外注先が改善提案を出しても、サイトの改修が社内の開発チームの順番待ちになれば、その間は費用だけが発生しています。

記事も同じで、原稿の納品から公開までに1ヶ月以上かかっているなら、外注費の一部は成果につながる前に寝かされていることになります。

注意したいこと

外注費の効果を測るときは、納品日ではなく公開日や実装日を基準にします。納品から公開までの期間が長いと、外注先の成果と社内の遅れが区別できなくなります。

社内工数を足した総額の計算

総額は、次の式でおおまかに出せます。

  • 総額 = 外注先への支払い + 社内担当者の作業時間 × 1時間あたりの人件費

たとえば、仮に外注費が月30万円で、社内の確認と調整に月20時間、担当者の人件費を1時間あたり3,000円と置くと、社内コストは月6万円です。この場合、実際にかかっている費用は月36万円になります。数値はあくまで計算方法を示すための仮定で、自社の数字に置き換えて使ってください。

この計算をすると、「外注費は安いが社内の確認に時間がかかる契約」と「外注費は高いが入稿まで任せられる契約」を同じ物差しで比べられるようになります。

支払った金額に対して何が返ってきているかの検算

納品物を数え、単価に直し、成果につなぐ3段階の検算を示す図
納品物を数え、単価に直し、成果につなぐ3段階の検算を示す図

外注を続けるか見直すかを決めるには、支払った金額に対して何が返ってきたかを数字で確認します。順番は、納品物を数える、単価に直す、成果とのつながりを見る、の3段階です。

納品物の数の確認

直近6ヶ月の請求書と、同じ期間の納品物を並べます。数えるのは次のようなものです。

  • 公開された記事の本数
  • リライトした記事の本数
  • 出された改善提案の件数と、そのうち実装された件数
  • 月次レポートと定例会議の回数

ここで「何が納品されたのか説明できない月」が出てきたら、それ自体が確認すべき点です。外注先に作業ログや対応履歴を出してもらえるかを聞きます。

成果物1つあたりの単価への換算

6ヶ月の支払い総額を、公開記事の本数や実装された改善の件数で割ります。たとえば6ヶ月で180万円を支払い、公開された記事が12本、実装された内部改善が3件だった場合、記事と改善を合わせた15件で割ると1件あたり12万円です。

この数字は、記事制作を単体で発注した場合の目安と比べると、高いか安いかの見当がつきます。前半で触れた記事制作の目安が1本数万円から10万円前後なので、これを大きく超えていれば、記事以外の作業にどれだけの価値があったかを説明してもらう必要があります。

ここがポイント

単価を出したら、その数字を外注先との定例で共有します。責める材料にするのではなく、「この単価に見合う作業を次の3ヶ月でどう増やすか」を一緒に決める材料として使うと、話が前に進みます。

流入と問い合わせへのつながりの確認

納品物が揃っていても、成果につながっていなければ意味がありません。Search Consoleで、外注先が手がけた記事のクリック数と表示回数を公開日以降で確認し、GA4などのアクセス解析で、それらの記事を経由した問い合わせや資料請求の数を見ます。

ここで3つのパターンに分かれます。

状態考えられる原因次の打ち手
納品物が少ない作業量が契約に見合っていない納品物の数を契約に書き込む
納品物は多いが流入が増えないキーワード選定や記事の質選定基準と対象キーワードを見直す
流入は増えたが問い合わせが増えない集客する層と商材がずれている狙うキーワードを事業に近いものへ寄せる

どこで途切れているかによって、外注先を替えるべきか、依頼内容を変えるべきかが変わります。流入は増えているのに問い合わせが増えない場合、外注先を替えても同じことが起きる可能性があります。

成果が見えない外注契約を立て直す順番

範囲を絞る、条件を見直す、資産を手元に置く、切り替えるという立て直しの順番を示す図
範囲を絞る、条件を見直す、資産を手元に置く、切り替えるという立て直しの順番を示す図

検算の結果、費用に見合っていないと判断した場合でも、すぐに解約するのが最善とは限りません。解約の前にやっておくことと、切り替える場合に見込んでおく費用を順に整理します。

施策を止めない範囲の絞り込み

SEOは施策を止めると、それまで積み上げた作業の続きが途切れます。いきなり契約を終えるより、検算で効果が見えなかった工程から外していくほうが、失うものが少なく済みます。

たとえば、記事は公開されて流入も出ているが、内部改善の提案が実装されていないなら、提案の工程を外して記事制作に費用を寄せる。レポートの比重が大きいなら、定例を月1回から隔月に減らしてその時間を作業に回してもらう。範囲を絞った状態で3ヶ月ほど様子を見ると、どの工程が効いていたのかが分かりやすくなります。

契約の見直しで書き込む項目

契約を続ける場合も、切り替える場合も、次の項目は契約書や発注書に明記しておきます。口頭の約束だけだと、担当者が替わったときに引き継がれません。

  • 月ごとの納品物の種類と数
  • 納品から公開、提案から実装までの役割分担
  • 報告で必ず出す指標(クリック数、表示回数、問い合わせ数など)
  • 契約期間、更新の条件、解約の申し出期限

Googleは、SEO業者を選ぶ際に、過去の作業例、Googleの検索の基本事項に沿っているか、期待される結果と測定方法などを確認するよう案内しています。また、検索結果での上位表示を保証することは誰にもできないとしています。契約の見直しでも、この観点は同じように使えます。

出典: https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/do-i-need-seo?hl=ja

記事の著作権と契約書の確認

外注先を替えるときに見落とされやすいのが、納品された記事の権利です。記事の著作権は原則として記事を作成した側(外注先やライター)に発生するため、発注側が自由に書き直したり、別の外注先にリライトさせたりするには、契約で権利の扱いを決めておく必要があります。

著作権法第61条第2項では、著作権を譲渡する契約で、翻案権など第27条と第28条の権利が譲渡の対象として特に書かれていない場合、それらの権利は譲渡した側に残ると推定されると定めています。記事のリライトは翻案にあたる可能性があるため、契約書に「第27条及び第28条の権利を含む」と書かれているかを確認します。判断に迷う場合は、弁護士など専門家に契約書を見てもらってください。

出典: https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000048

アカウント権限と施策履歴の保管

Search Console、GA4、CMS、サーバーのアカウントが外注先の名義で作られていると、契約終了とともに過去のデータが見られなくなることがあります。Search Consoleには「確認済み所有者」「委任された所有者」「フルユーザー」「制限付きユーザー」という権限の種類があり、プロパティの管理権限を持つのは所有者です。自社が所有者になり、外注先にはユーザー権限を付与する形にしておくと安全です。

出典: https://support.google.com/webmasters/answer/7687615?hl=ja

あわせて、対策キーワードの一覧、記事ごとの公開日とリライト履歴、実装した内部改善の記録も、自社の共有フォルダに保存しておきます。これが残っていれば、次の外注先や社内の担当者が同じ調査をやり直さずに済みます。

依頼先を切り替えるときにかかる費用

切り替えの際は、新しい外注先の初期費用に加えて、現状の把握にかかる時間を見込みます。前の外注先の施策履歴が残っていないと、新しい外注先はサイト全体の調査からやり直すことになり、そのぶん最初の数ヶ月は目に見える改善が出にくくなります。

施策履歴と権限が自社に残っているかどうかで、切り替えにかかる費用と時間は大きく変わります。解約の連絡をする前に、上の2つの項目が揃っているかを確認してください。

よくある質問

SEO外注の費用は、月いくらから始めるのが現実的ですか

依頼範囲によります。記事制作だけなら1本単位で始められますし、方針の確認だけなら単発の診断という形もあります。先に社内でできる作業とできない作業を書き出し、できない部分だけを外に出すと、無理のない金額から始められます。

記事単価が安い外注先を選ぶと、何が起きやすいですか

構成作成、編集、事実確認、入稿といった工程が単価に含まれず、社内に残ることがあります。請求額は抑えられても、社内の確認時間が増えて総額が変わらない、ということが起こりえます。見積もりの段階で、単価にどの工程が含まれるかを確認してください。

外注して何ヶ月で費用対効果を判断すればよいですか

一律の期間はありません。記事は公開されてから検索結果での評価が定まるまでに時間がかかるため、納品日ではなく公開日から数えて判断します。まずは3ヶ月ごとに、この記事で紹介した検算を行い、納品物の数、流入、問い合わせのどこで途切れているかを確認するのが現実的です。

外注先を替えると、それまでの順位は下がりますか

外注先を替えたこと自体が順位に影響するわけではありません。影響が出るのは、引き継ぎがうまくいかずに更新が止まる、記事の権利の問題で書き直せない、アクセス解析のデータが見られなくなる、といった状況です。権限と施策履歴を自社に残しておくことで、こうした事態は避けやすくなります。

まとめ

  • SEO外注の費用は依頼範囲で決まるため、相場を見る前に外に出したい作業を書き出す
  • 見積もりや請求書の「一式」を、調査、制作、実装、報告の工程に分解して比べる
  • 総額は外注費に社内の確認や実装の工数を足して見る
  • 直近6ヶ月の納品物を数え、単価に直し、流入と問い合わせへのつながりを確認する
  • 見直すときは止めずに範囲を絞り、記事の権利とアカウント権限を自社で持てているかを先に確認する

外注費が高いか安いかは、金額そのものより、支払いに対して何が返ってきているかで決まります。まずは手元の請求書と納品物を並べるところから始めてください。

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