- 順位が落ちた直後に確認すべきことと分析を始める時期
- Search Consoleで下落ページとクエリを特定する方法
- 順位が下がる3つのパターンと、それぞれの打ち手
- 公開日だけの更新や一斉リライトなど、避けるべき対応
Googleのコアアップデートが終わったあと、Search Consoleを開いたらクリック数がはっきり落ちていた。そんな状況で「何をすれば順位が戻るのか」を探している方に向けた記事です。
コアアップデートによる下落は、スパム判定や手動対策のように「この違反を直せば解除される」という性質のものではありません。Google自身が公式ドキュメントで、順位が下がったページが必ずしも悪いわけではなく、ほかのページがより評価されただけの場合があると説明しています。そのため、原因を切り分けないまま手当たり次第にリライトすると、かえって状況を読みにくくしてしまいます。
この記事では、落ちた直後に確認すること、下落ページの特定と分類、改善の進め方、やってはいけない対応を順番に整理します。上位記事の多くが「品質を上げる」「E-E-A-Tを強化する」で終わっているところを、どのページから、何を根拠に、どこまで直すかという立て直しの手順に落とし込みます。
結論を先に書くと、順位を戻す作業は「全体を直す」ことではなく、「戻る見込みのあるページを見極めて、上位に入れ替わったページとの差を埋める」ことです。
順位が落ちた直後の切り分け

下落に気づいた直後は、焦って記事を触りたくなります。ただ、最初の数日でやるべきことは修正ではなく切り分けです。ここを飛ばすと、原因がコアアップデートではなかった場合に的外れな対応を続けることになります。
ロールアウト完了まで待つ理由
コアアップデートは発表から完了まで一定の期間をかけて段階的に反映されます。反映の途中は順位が日ごとに上下するため、その時点の数字で判断すると読み違えます。
Googleは公式ドキュメントで、コアアップデートの完了後、少なくとも1週間待ってからSearch Consoleで分析するよう勧めています(https://developers.google.com/search/docs/appearance/core-updates?hl=ja )。開始日と完了日は Google Search Status Dashboard(https://status.search.google.com/ )で確認できます。まずは完了日を確認し、そこから1週間後を分析開始日としてカレンダーに入れておくと、途中で手を出さずに済みます。
コアアップデート以外の原因を外す
順位が落ちた時期がたまたまアップデートと重なっているだけ、というケースは珍しくありません。次の項目は、コアアップデートより先に確認しておきます。
- Search Consoleの「手動による対策」レポートに通知が出ていないか
- 同時期にスパムアップデートなど別のアップデートが実施されていないか
- サイトリニューアル、URL変更、テンプレート改修、robots.txtやnoindexの設定変更をしていないか
- ページのインデックス登録レポートで、除外されたページが急に増えていないか
- 前年の同じ時期にも同様の落ち込みがないか(季節要因)
技術的なトラブルや設定ミスが原因なら、必要なのは設定やサイト構造の修正であり、コンテンツの見直しとはまったく別の対応になります。手動による対策の確認方法はSearch Consoleヘルプ(https://support.google.com/webmasters/answer/9044175 )、スパムに関する方針はGoogle検索のスパムに関するポリシー(https://developers.google.com/search/docs/essentials/spam-policies )にまとまっています。
下落の幅で対応を分ける
同じ「順位が下がった」でも、幅によって打ち手は変わります。Googleの公式ドキュメントでは、2位から4位のような小さな下落であれば大きな対応は不要で、4位から29位のような大きな下落であればサイト全体の品質を含めて見直すべきだと整理されています(https://developers.google.com/search/docs/appearance/core-updates?hl=ja )。
小さな下落は、上位に別のページが入ってきたことによる入れ替わりである可能性が高く、慌てて構成を変えると、もともと評価されていた部分まで崩してしまうことがあります。大きな下落や、サイト内の多くのページで同時に起きている下落は、個別ページではなくサイト全体の評価の見直しが起きていると考えて、次の章の分析に進みます。
落ちたページの特定と上位ページとの比較

切り分けが済んだら、どのページが、どのクエリで、どれだけ落ちたのかを数字で押さえます。サイト全体のクリック数のグラフを眺めているだけでは、打ち手は決まりません。
Search Consoleで比較する期間の取り方
Googleが示している比較方法は、アップデートのロールアウト開始前の1週間と、完了後の1週間を比べるというものです。Search Consoleの検索パフォーマンスで「日付」を比較モードにし、この2つの期間を並べます。
1週間ずつで比べると曜日による差が相殺されるため、日単位で見るより変化が読みやすくなります。アクセスが少ないサイトで数字がぶれる場合は、2週間ずつに広げても構いません。大事なのは、改善作業の前後でも同じ比べ方を使い続けることです。比べ方を途中で変えると、回復したのかどうかが判断できなくなります。
ページ単位とクエリ単位の集計
比較モードにしたら、「ページ」タブでクリック数の差分が大きい順に並べ、落ち幅の大きいページを上から20件ほど書き出します。次に、それぞれのページを選んだ状態で「クエリ」タブに切り替え、どのクエリで順位が落ちたのかを確認します。
ここで見えてくるのは、同じページでも落ちたクエリと落ちていないクエリがあるということです。たとえば、主要なキーワードでは順位を保っているのに、関連する周辺クエリだけが大きく落ちている場合、ページ全体の品質よりも、その周辺クエリの検索意図とページの内容がずれている可能性を疑います。
表計算シートに「ページ」「主なクエリ」「変動前の平均掲載順位」「変動後の平均掲載順位」「クリック数の差」の5列を作り、以降の分析はこのシートを軸に進めると、作業が散らばりません。
上位に入れ替わったページを読む
下落したクエリで実際に検索し、いま上位に表示されているページを開きます。多くの記事が「品質を上げましょう」で説明を終えていますが、何を上げればいいのかは、上位に入れ替わったページを見ないと分かりません。
確認するのは次の点です。
- 上位のページはどんな種類か(解説記事、比較記事、公式サイト、フォーラム、動画など)
- 自社のページには無く、上位のページにある情報は何か
- 上位のページは誰が書いているか、どんな経験や根拠に基づいているか
- 検索した人の疑問に、ページの冒頭からどれだけ早く答えているか
変動前と変動後で、上位10件の顔ぶれがどう変わったかも記録しておくと、次の章で説明する下落パターンの判定に使えます。
順位が下がる3つのパターン

下落ページを並べてみると、落ち方にはいくつかの型があります。ここでは立て直しの打ち手が変わる単位で、3つに分けて整理します。どのパターンに当てはまるかで、直す場所も、直す量も変わります。
相対評価の入れ替わり
もっとも多いのが、自社のページが悪くなったのではなく、ほかのページがより評価されたことで押し出されるパターンです。Googleは公式ドキュメントで、これをレストランのおすすめリストにたとえ、リストが更新されて順位が下がった店が必ずしも悪いわけではないと説明しています。
このパターンの特徴は、落ち幅が数位程度に留まり、上位の顔ぶれに新しいページが1〜2件加わっていることです。対応は、入れ替わったページと比べて足りない情報を補うことに絞ります。構成を大きく作り直す必要はほとんどありません。
検索意図の変化
同じキーワードでも、検索結果に並ぶページの種類が変わることがあります。以前は解説記事が上位を占めていたクエリで、比較記事やサービスの公式ページ、体験談が上位に来るようになった場合がこれに当たります。
このパターンでは、ページの品質をいくら上げても、求められている形式と違えば戻りにくくなります。上位10件の種類を変動前後で比べ、形式そのものが変わっているなら、既存ページの目的を見直すか、別の切り口のページを用意するかを判断します。
サイト全体の品質評価
サイト内の多くのページで、クエリの種類にかかわらず大きく落ちている場合は、個別ページではなくサイト全体の評価が見直された可能性があります。Googleも公式ドキュメントで、改善の効果が表れるまでに、サイト全体が有用で信頼できるコンテンツを提供しているとシステムが確認する期間が必要になる場合があると説明しており、評価がページ単位だけで決まっていないことがうかがえます(https://developers.google.com/search/docs/appearance/core-updates?hl=ja )。
Googleは、検索結果で上位に入ることを期待して多くの異なるトピックのコンテンツを大量に作っていないか、という点を検索エンジンを第一に考えたコンテンツの兆候として挙げています(https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/creating-helpful-content?hl=ja )。周辺テーマまで記事を広げてきたサイトや、似た内容の記事が多数あるサイトは、この観点で自社を点検しておく価値があります。対応は個別ページのリライトだけでは足りず、サイトとして何の専門家なのかを整理し直す作業になります。回復にも時間がかかるため、次の章の優先順位付けが特に重要です。
順位を戻すための改善の進め方

パターンが見えたら、改善に入ります。ここでのポイントは、すべてのページを同時に直そうとしないことです。直す順番を決めて、効果を確かめながら進めるほうが、結果として早く立て直せます。
回復の見込みで優先順位を付ける
最初に手を付けるのは、落ちたけれどまだ1ページ目の下のほう、あるいは2ページ目の上のほうに残っているページです。この位置にあるページは、Googleがまだ一定の評価を残しているため、差を埋めれば戻りやすいと考えられます。
優先順位は、次の3つを掛け合わせて決めます。
- 変動前にどれだけのクリックや問い合わせを生んでいたか
- 現在の順位が戻れる位置にあるか
- 上位ページとの差が、自社で埋められる内容か
| 優先度 | 状態 | 対応 |
|---|---|---|
| 高 | 変動前に成果があり、現在10〜20位前後 | 上位ページとの差を埋める改善を最初に行う |
| 中 | 変動前に成果があり、現在30位より下 | 検索意図の変化を確認してから構成を見直す |
| 低 | 変動前から成果が小さい | 統合や整理の候補として後回しにする |
注意したいこと
優先度の低いページを先に大量に触ると、どの改善が効いたのかが分からなくなります。まずは優先度の高いページを10件程度に絞って始めてください。
改善の中身は検索意図と一次情報
Googleは、順位が下がったときの対応として、手早い修正ではなく、コンテンツを意味のある形で改善することを勧めています。その判断材料として、コンテンツと品質、専門性などに関する自己評価の質問を公開しています(https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/creating-helpful-content?hl=ja )。
実務では、次の2つに絞ると手が止まりません。
- 検索意図への答え方: 検索した人が知りたいことに、冒頭から答えているか。上位ページが答えている疑問を、自社のページが取りこぼしていないか
- 一次情報: 自社の経験、実際に試した結果、自社で集めたデータ、担当者の判断基準など、ほかのページには書けない情報が入っているか
どこかのページを要約し直しただけの内容は、上位のページと並べたときに選ばれる理由がありません。立て直しの場面では、足りない情報を足すことと同じくらい、自社にしか書けないことを1つでも入れることが効きます。
統合と削除の判断
サイト全体の品質評価が落ちているパターンでは、似たテーマの記事が複数ある状態を整理する必要が出てきます。同じ検索意図を狙う記事が2本以上あるなら、内容を1本にまとめ、残りのURLは統合先へ301リダイレクトする方法が基本です。
一方で、削除には慎重になるべきです。Googleは公式ドキュメントで、コンテンツの削除は最終手段であり、修正できないと判断した場合にだけ検討すべきだと明言しています。アクセスが少ないという理由だけで一斉に削除すると、そのページが受けていた被リンクや内部リンクの価値まで失うことがあります。
判断の順番は、改善できるなら改善、同じテーマの記事があるなら統合、そのどちらでもなくサイトのテーマから外れているなら削除、です。
改善後の経過の見方
改善したら、ページごとに作業日と作業内容を記録します。これを施策ログと呼びます。ログがあれば、2〜4週間後に同じ比較方法で数字を見たとき、どの改善が効いたのかを判断できます。
順位だけでなく、表示回数とクエリの数も合わせて見ます。主要なキーワードの順位がまだ戻っていなくても、改善したページが新しい関連クエリで表示されはじめていれば、足した情報が検索されている内容に届いている手がかりになります。こうした変化が複数のページで確認できたら、同じやり方をほかのページにも広げます。表示回数も順位も動かないまま数週間たつ場合は、パターンの判定から見直します。
順位を戻すためにやってはいけない対応

下落の直後は、少しでも早く戻そうとして、効果が無いか、かえって状況を悪くする対応を取りがちです。ここでは、そうした対応をGoogleの公開情報に照らして整理します。
公開日だけを新しくする
中身をほとんど変えずに公開日や更新日だけを新しくする対応は、順位回復には結びつきません。Googleは、内容が大きく変わっていないのに新しく見せるためにページの日付を変えていないか、という点を、検索エンジンを第一に考えたコンテンツの兆候として挙げています(https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/creating-helpful-content?hl=ja )。
日付を更新するのは、内容を実際に見直したときだけにします。更新した場合も、何を変えたのかが読者に分かる形にしておくと、信頼性の面でもプラスになります。
全記事の一斉リライトと文字数の水増し
原因が分からないまま全記事を一度にリライトすると、改善の効果を検証できなくなります。そのうえ、もともと評価されていたページまで構成を変えてしまい、下落が広がることもあります。
文字数を増やすだけのリライトも同様です。Googleは、Googleが好む文字数があると聞いて特定の文字数を目標に書いていないかと問いかけたうえで、そのような基準は無いと明言しています。文字数は、読者の疑問に答えた結果として決まるものであって、目標ではありません。
ドメイン移転や大量削除で仕切り直す
順位が戻らないからといって、新しいドメインに移転したり、記事を大量に削除して作り直したりする対応も慎重に考えるべきです。移転先でも同じ内容を載せれば、同じ評価を受ける可能性が高く、移転作業の過程でリダイレクト漏れなど別の問題を抱えることもあります。
仕切り直しを検討するのは、サイトのテーマそのものを変えるときや、スパム対策の問題を抱えたままのドメインを手放すときなど、明確な理由がある場合に限ります。コアアップデートでの下落そのものは、ドメインを変える理由になりません。
アップデートのたびに方針を変える
コアアップデートのたびに方針を変えると、施策の効果が出る前に次の施策が上書きされ、結局どれも検証できないまま時間が過ぎます。Googleは、変更を加えてもすぐに目に見える変化が現れる保証はなく、サイト全体の変化をシステムが確認するまでに数か月かかることもあると説明しています。
方針は、少なくとも次のコアアップデートまでは同じ軸で続けることを前提に、施策ログを見ながら小さく修正していくほうが、立て直しは確実に進みます。
よくある質問
順位はどれくらいで戻りますか
一律の目安はありません。Googleは、変更の効果が数日で表れることもあれば、サイト全体が有用で信頼できるコンテンツを提供していると確認されるまで数か月かかることもあると説明しています。数か月たっても変化が無い場合は、次のコアアップデートまで待つ必要があるかもしれないとも書かれています(https://developers.google.com/search/docs/appearance/core-updates?hl=ja )。
アップデートの途中でリライトしても大丈夫ですか
リライトそのものが不利に扱われるわけではありませんが、ロールアウトの途中は順位が日々動くため、改善の効果を読み取れません。完了後1週間たってから分析し、優先度の高いページから手を付けるほうが、結果を検証しやすくなります。
改善したのに次のアップデートでも戻りませんでした
改善しても回復は保証されないというのがGoogleの立場です。上位のページがより役に立つと評価されていれば、そちらが上位に残ります。その場合は、上位ページとの差を改めて比べ直し、パターンの判定が合っていたかを確認します。たとえば、実際には検索意図が変わっていたのに、相対評価の入れ替わりと判断して情報の追加だけを続けていた場合は、打ち手そのものを変える必要があります。
外注先の対応が正しいのか判断できません
施策ログと比較期間の取り方を共有してもらうと、判断しやすくなります。どのページに、いつ、何をしたのか、その前後で数字がどう変わったのかを説明できる状態になっていれば、少なくとも検証できる進め方になっています。説明が「品質を上げました」に留まる場合は、具体的な作業内容を確認してみてください。
まとめ
- 下落に気づいたら、まずロールアウト完了を確認し、完了後1週間たってから分析する
- 手動による対策、技術的なトラブル、季節要因など、コアアップデート以外の原因を先に外す
- 下落ページはページ単位とクエリ単位で集計し、上位に入れ替わったページと比べる
- 下落は相対評価の入れ替わり、検索意図の変化、サイト全体の品質評価の3パターンで打ち手が変わる
- 公開日だけの更新、一斉リライト、文字数の水増し、安易なドメイン移転は避ける
コアアップデートで落ちた順位を戻す近道は、原因を切り分け、戻る見込みのあるページから順に、根拠を持って直していくことです。どこから手を付けるべきか判断がつかない場合は、現状の数字を整理するところから始めてみてください。
