- 被リンクが増えない原因の3分類と、Search Consoleでの確認方法
- リニューアルやページ削除で失った被リンクを取り戻す手順
- 自然にリンクされるページの4つの型
- リンクスパムとの線引きと、否認ツールを使うべき条件
被リンクを増やしたいと考えて調べると、寄稿、プレスリリース、SNS、相互リンクといった手法が十数個から数十個並んだ記事が見つかります。ところが実際に手を付けてみると、どれから始めればいいのか分からず、プレスリリースを何本か出しただけで止まってしまうことが少なくありません。
うまくいかない理由の多くは、手法の知識が足りないことではありません。自社サイトの被リンクがなぜ増えていないのかを確かめる前に、手法を選んでいることにあります。リンクされる理由がないページのまま露出だけ増やしても、リンクは付きません。逆に、リニューアルでURLが変わり、せっかくもらっていたリンクを取りこぼしているサイトもあります。
この記事では、被リンクを自然に増やすための打ち手を「現状の切り分け」「取りこぼしの回収」「リンクされる理由づくり」の順に整理します。あわせて、Googleのスパムポリシーに照らして手を出してはいけない手法の線引きと、過去に不自然なリンクを作ってしまったサイトの立て直し方まで扱います。
結論から言うと、新しく獲得する施策より先に、失ったリンクを取り戻す作業と、リンクされる理由を持ったページを1本作る作業に手を付けるのが近道です。
被リンクが増えない原因の切り分け

被リンクを増やす施策を選ぶ前に、今のサイトがどの状態にあるのかを確かめます。原因によって打ち手がまったく変わるためです。
被リンクが増えるとはどういう状態か
被リンクの本数そのものを目標にすると、判断を誤りやすくなります。同じサイトから100本のリンクをもらっても、関連する分野の10サイトから1本ずつもらう状態とは意味が異なります。見るべきなのは、次の3点です。
- リンクしてくれているドメインの数が増えているか
- 自社と関係のある分野のサイトからリンクされているか
- 検索で上げたいページ、またはそこに内部リンクでつながるページにリンクが集まっているか
Googleは、クロール済みのページからリンクをたどって新しいページを見つけると説明しています(https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/seo-starter-guide?hl=ja )。つまりリンクは評価の材料であると同時に、ページを見つけてもらう入口でもあります。関係のない場所から大量にリンクが来ても、この両方の役割はあまり果たしません。
増えない原因は3つに分かれる
被リンクが増えないサイトを見ると、原因はおおむね次の3つのどれかに当てはまります。
- リンクされる理由がない。どのページも他社の記事と似た説明で、引用したくなる情報がない
- 知られていない。良い情報はあるが、関係する人の目に触れていない
- 取りこぼしている。リンクはもらえていたのに、URL変更やページ削除でリンク先が消えている
1つめの状態で露出を増やしても、見てもらえるだけでリンクには結びつきません。2つめの状態でコンテンツを作り込み続けても、届かなければ同じです。3つめは新しい施策をしなくても取り戻せる分なので、最初に確認する価値があります。
Search Consoleで現状を確認する
現状の確認は、無料のGoogle Search Consoleの「リンク」レポートで足ります。外部リンクの項目では、上位のリンクされているページ、上位のリンク元サイト、上位のリンク元テキストを確認できます。
見るポイントは次のとおりです。
- リンクされているページがトップページだけに偏っていないか
- リンク元サイトに、自社の分野と関係のあるサイトがどれくらい含まれるか
- リンク元テキストに、社名やサービス名が自然に使われているか
トップページにしかリンクがなく、記事や資料にはほぼリンクがない場合は「リンクされる理由がない」状態である可能性が高いと考えられます。リンクされているページの中に今は存在しないURLがある場合は、取りこぼしが起きています。
新規獲得より先に行う、失ったリンクの回収

新しい被リンクを獲得するには、相手に何かを見つけてもらい、判断してもらう必要があります。一方で、すでにもらっていたリンクを取り戻す作業は、自社の中で完結するものが多くあります。更新が止まったサイトや、リニューアルを経たサイトほど、この作業の効果が出やすくなります。
リニューアルやURL変更で切れたリンク
サイトのリニューアルでURLの形が変わり、古いURLからのリダイレクトを設定していないケースはよく見られます。外部のサイトは古いURLにリンクしたままなので、そのリンクは404ページに向かい、評価の受け皿が失われます。
Googleはサイト移転の説明の中で、リダイレクトをできるだけ長く、一般的には1年以上保持するよう勧めています。その期間に、古いURLを指している他のサイトのリンクを再クロールし、シグナルを新しいURLに転送できるためです(https://developers.google.com/search/docs/crawling-indexing/site-move-with-url-changes?hl=ja )。
対応の手順は次のとおりです。
- Search Consoleのリンクレポートで、リンクされているページの一覧を書き出す
- 一覧のURLに実際にアクセスし、404やトップページへの一括転送になっていないか確かめる
- 内容が対応する新しいURLへ、恒久的なリダイレクト(301または308)を個別に設定する
内容の対応しないトップページへまとめて転送するのは避けます。リンク元の文脈と転送先の内容が一致しないためです。
削除したページに付いていたリンク
古いキャンペーンページや終了したサービスのページを削除したとき、そのページにリンクが付いていたことに気づかないことがあります。代わりになるページがあればリダイレクトし、なければ同じテーマのページを作り直すかどうかを検討します。
リンク数の多いページを消す判断は、内容が古いという理由だけで下さないほうが安全です。情報を更新して残すほうが、リンクを保ったまま中身を今の状態に戻せます。
言及はあるのにリンクがない状態
取引先の導入事例、業界メディアの記事、登壇したイベントの告知ページなどで、社名やサービス名が書かれているのにリンクが付いていないことがあります。社名で検索し、該当するページを探します。
見つかったら、掲載してもらったお礼とあわせて、リンク先として適切なURLを伝えます。すでに自社を知っている相手への依頼なので、面識のない相手に頼むより受け入れられやすくなります。ただし相手の編集方針でリンクを付けない場合もあるため、断られたら無理に求めません。
リンクされる理由を持ったページの作り方

取りこぼしを回収したら、次はリンクされる理由を持ったページを作ります。人が他のサイトにリンクを貼るのは、自分の記事の説明を補う根拠や、読者に紹介したい道具が必要なときです。その需要に応えるページを用意するのが、自然な被リンクの出発点になります。
一次情報と自社データ
他の記事にない情報は、それだけで引用の理由になります。アンケート調査のような大がかりなものである必要はありません。自社の問い合わせ内容の傾向、作業にかかった時間の実測、社内で比べた結果など、自社が持っている事実を数字で示すだけでも一次情報になります。
公開するときは、調べた対象、期間、件数、集計の方法を書き添えます。条件が書かれていないデータは、他の書き手が根拠として使いにくいためです。
引用しやすい単位で書く
内容が良くても、引用しにくい形だとリンクは付きにくくなります。書き手が引用したくなるのは、1つの問いに1つの答えが短くまとまっている箇所です。
- 定義や結論を見出しの直後に一文で書く
- 比較や手順は表や番号付きのリストにする
- 図には、それだけで意味が伝わる見出しと結論を付ける
この書き方は、生成AIの検索結果で出典として扱われやすい構造とも重なります。被リンクのためだけでなく、ページ自体の分かりやすさを上げる作業として取り組めます。
ツール・テンプレート・チェックリスト
計算シート、テンプレート、チェックリストのように、読者がそのまま使える道具は、紹介記事や社内資料からリンクされやすい型です。一度作れば長く使われ、情報が古くなりにくい点も利点です。
作るときは、自社の商品説明ではなく、読者の作業を1つ終わらせることを目的にします。商品の宣伝が強いページは、他社の書き手が紹介しにくくなります。
取引先や業界の中での言及
事業の中で実際に関わっている相手からのリンクは、分野の関連性が高く、自然な形になりやすいものです。
- 導入事例やインタビューを相手と一緒に作り、相手のサイトでも紹介してもらう
- 業界メディアへの寄稿や、取材への協力
- セミナーやイベントでの登壇、共催
寄稿の場合は、記事の内容そのものが相手の読者の役に立つことを優先します。リンクを入れることが目的の寄稿は、後で説明するリンクスパムの例に近づきます。
プレスリリースは、配信サービス経由のリンクそのものより、記者やメディアの目に留まって記事になったときの言及に意味があります。ニュースになる材料があるときに使う手段と考えるのが適切です。
手を出してはいけない手法の線引き

被リンクを増やす施策の中には、短期間で本数が増えても、後で評価を落とす原因になるものがあります。判断の基準になるのは、Googleのスパムポリシーです。
Googleがリンクスパムとして挙げている行為
Googleのスパムポリシーは、検索ランキングを操作することを主な目的として、サイトへのリンクやサイトからのリンクを作る行為をリンクスパムとしています(https://developers.google.com/search/docs/essentials/spam-policies?hl=ja )。例として挙げられているのは次のような行為です。
- ランキングを上げる目的でのリンクの売買
- 過剰な相互リンクや、相互リンクのためだけのパートナーページ
- 自動化されたプログラムやサービスによるリンクの作成
- 記事広告やネイティブ広告の中で、リンク先の評価を上げるためにアンカーテキストを操作する行為
- フォーラムのコメントや署名に、人為的にリンクを入れる行為
同じポリシーでは、広告のためにリンクを売買すること自体は、rel="nofollow" や rel="sponsored" を付けていれば違反にならないとされています。問題になるのは、お金や見返りでランキングを動かそうとする点です。
判断に迷うケースの見分け方
実務では、白黒がはっきりしない場面があります。次の表は、よく相談される施策を、ポリシーの考え方に沿って整理したものです。
| 施策 | 問題になりにくい形 | 問題になりやすい形 |
|---|---|---|
| 相互リンク | 実際に取引や協業がある相手と、読者のために紹介し合う | 関係のないサイトとリンクを交換するためだけに行う |
| 寄稿 | 相手の読者に役立つ内容で、リンクは文脈上必要な箇所だけ | リンクを入れることが目的で、狙ったキーワードのアンカーを指定する |
| 記事広告 | rel="sponsored" などを付けたリンク | 属性を付けず、評価を上げる目的でリンクを入れる |
| グループ会社のサイト | 事業上の関係を示す自然なリンク | 評価を集めるために大量のページから同じページへリンクする |
| ディレクトリ登録 | 業界団体や地域の公的な名簿への掲載 | 登録すればリンクが付くことだけを目的にしたサイトへの一括登録 |
迷ったときは「検索エンジンが存在しなくても、このリンクを貼る理由があるか」を自問するのが実用的です。読者のためのリンクであれば、ほとんどの場合は問題になりません。
自社が広告リンクを出す側・受ける側になったとき
自社のサイトに有料で他社のリンクを載せるときは、rel="sponsored" を付けます。ユーザーのコメント欄など、自社が内容を管理していない場所のリンクには rel="ugc" が勧められています(https://developers.google.com/search/docs/crawling-indexing/qualify-outbound-links?hl=ja )。
反対に、自社が費用を払って他社のメディアに記事を載せる場合も、リンクに適切な属性が付いているかを確認します。属性の付いた広告リンクは、評価を直接上げる効果は期待しにくいものの、そのメディアの読者に知ってもらう手段としては意味があります。目的を「リンク」ではなく「露出」に置き直すと、費用の判断もしやすくなります。
過去に不自然なリンクを作ってしまったときの立て直し

以前の外注先がリンクを購入していた、自作の関連サイトから大量にリンクを貼っていた、といった経緯を持つサイトもあります。この場合、新しい施策を足す前に、まず現状を把握します。
リンクの棚卸し
Search Consoleのリンクレポートから外部リンクのリンク元サイトを書き出し、次の観点で分類します。
- 事業上の関係がある、または自然に言及されているリンク
- 関係は薄いが、無害なもの(自動生成のまとめサイトなど)
- 自社または外注先が意図して作った、ランキング目的のリンク
問題になるのは3つめです。2つめの無害なリンクは、どのサイトにもある程度付くもので、Googleも多くの場合は評価の対象から外していると考えられます。慌てて全部を対処しようとしないことが大切です。
削除依頼を先に、否認は最後に
自社や外注先が作ったリンクであれば、まず削除できるものを削除します。自社の関連サイトなら自分で外せますし、外注先が設置したものは設置先の一覧を出してもらい、削除を依頼します。
Googleの否認ツールのヘルプでは、スパム性のリンクや品質の低いリンクはできる限りウェブから削除することを勧めたうえで、否認ツールを使うのは次の両方に当てはまる場合としています(https://support.google.com/webmasters/answer/2648487?hl=ja )。
- スパム行為のあるリンク、人為的なリンク、品質の低いリンクが数多くある
- そのリンクが手動による対策の原因になっている、または今後なる可能性がある
否認ツールを使わなくてよいケース
同じヘルプでは、ほとんどのサイトではこのツールを使う必要はないとも書かれています。Googleは、詳しい情報がなくてもどのリンクが信頼できるかを評価できるためです。
そのため、次のような状態であれば、否認より先にやるべきことがあります。
- 見覚えのない低品質なサイトからリンクが付いているだけで、自社で作った形跡はない
- Search Consoleの「手動による対策」に何も表示されていない
- 順位の低下はあるが、時期がリンクの増減と一致していない
順位が下がった原因をリンクだと決めつけて否認を進めると、本来の原因の調査が遅れます。コンテンツや技術面を含めて原因を切り分けてから判断します。
よくある質問
被リンクは本数が多いほど効果がありますか
本数だけで効果は決まりません。関係のある分野の、異なるサイトからのリンクが増えているかを見るほうが実態に近くなります。同じサイトからの大量のリンクや、分野の違うサイトからのリンクは、本数に比べて意味が小さいと考えてください。
nofollowのリンクには意味がありませんか
nofollow のリンクは、評価の受け渡しを直接期待しにくいリンクです。ただ、リンク経由で読者が訪れ、そのうちの誰かが自分の記事で紹介してくれることで、自然なリンクにつながることがあります。評価の受け渡しだけで価値を判断しないほうがよいでしょう。
被リンクを買うと必ずペナルティになりますか
必ず手動による対策を受けるとは限りません。しかしランキング目的のリンク購入はGoogleのスパムポリシーで明示されている行為であり、見つかれば評価を失うリスクを負います。費用をかけるなら、属性を付けた広告として露出を得るか、リンクされる理由を持ったページの制作に回すほうが資産として残ります。
被リンクが付いたかはどれくらいで分かりますか
Search Consoleのリンクレポートは、リンクがページ上に貼られた直後に反映されるわけではありません。Googleが相手のページをクロールしてから反映されるため、数日から数週間の幅があります。施策ごとに実施日を記録しておき、月単位で変化を見るのが現実的です。
まとめ
- 被リンクは本数ではなく、関係のある分野の異なるサイトから、上げたいページへリンクが集まっているかで見る
- 施策を選ぶ前に、Search Consoleのリンクレポートで「理由がない」「知られていない」「取りこぼし」のどれに当たるかを切り分ける
- リニューアルや削除で切れたリンクの回収は、新しい獲得より先に手を付けられる確実な打ち手
- 一次情報、引用しやすい書き方、使える道具、取引先との関係が、自然な被リンクの出発点になる
- ランキング目的の売買や過剰な相互リンクはリンクスパムにあたる。過去に作ってしまったリンクは削除を先に行い、否認は条件に当てはまる場合だけ使う
被リンクは、外に向けて頼んで集めるものというより、リンクする理由のあるページを作り、それを取りこぼさずに保つことで積み上がっていくものです。まずはSearch Consoleのリンクレポートを開き、リンクされているページが今も正しく表示されるかを確かめるところから始めてみてください。
