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検索流入を増やす方法は新規記事の前に見直す、打ち手の優先順位と進め方

この記事でわかること
  • 検索流入を表示回数・順位・クリック率に分解する見方
  • 新規記事より先に手を付ける打ち手の優先順位
  • リライト対象の選び方とクリック率の見直し方
  • 更新が止まったサイトを月1回の作業で動かす運用

検索流入を増やしたいと考えたとき、多くの担当者がまず思い浮かべるのは新規記事の追加です。ところが、更新に割ける時間や予算が限られているサイトでは、新規記事を増やしても流入が伸びず、作業だけが積み上がることがあります。

その原因の多くは、流入が増えない理由を切り分ける前に、打ち手を選んでしまうことにあります。流入は表示回数、順位、クリック率という複数の要素の掛け算で決まるため、どこが詰まっているかで効く打ち手がまったく変わります。

この記事では、新規記事以外で検索流入を増やす打ち手を、確認の順番と優先順位の決め方に絞って整理します。Search Consoleの数値の読み方、既存ページの引き上げ方、クリック率の見直し、更新が止まったサイトを最小の工数で動かす運用までを順に扱います。

先に結論を述べると、流入を増やす作業は、新規作成よりも、すでに表示されているのにクリックされていないページと、あと一歩で1ページ目に届くページから始める方が、少ない工数で成果を確認しやすくなります。ただし、ここで挙げる手順は順位の上昇を保証するものではなく、確認と改善の順番を整えるためのものです。

検索流入の内訳を分解する

検索流入を表示回数と順位とクリック率に分解する図
検索流入を表示回数と順位とクリック率に分解する図

流入が増えないと感じたら、最初にやるべきことは施策の検討ではなく、数字の分解です。検索流入はGoogleの検索結果でリンクが表示され、そのうちの一部がクリックされた結果です。どの段階で止まっているかを見ないまま手を打つと、効かない作業に時間を使うことになります。

クリック数を3つの要素に分ける

Search Consoleの検索パフォーマンスレポートでは、クリック数は「Googleからサイトへのリンクがクリックされた頻度」、表示回数は「サイトへのリンクがGoogleで閲覧された頻度」と定義されています。クリック率はクリック数を表示回数で割った値です。定義の詳細は次の公式ヘルプで確認できます。

https://support.google.com/webmasters/answer/7042828?hl=ja

この定義から、クリック数は表示回数とクリック率の積として見ることができます。そして表示回数の大きさは、掲載順位と、そのクエリがどれだけ検索されているかで決まります。つまり流入が少ない理由は、次の3つのどれかに分けられます。

  • そもそも表示されていない(対象クエリでの順位が低い、またはインデックスされていない)
  • 表示はされているが、クリックされていない(タイトルや説明文が検索意図に合っていない)
  • 表示もクリックもあるが、対象の検索自体が小さい(狙うテーマの需要が小さい)

このうち、新規記事の追加が効くのは3つ目の一部と1つ目の一部だけです。2つ目は既存ページの手直しで動かせるため、ここを見ずに新規記事へ進むのは順番が逆になります。

順位帯でクエリを並べ替える

次に、Search Consoleでクエリ別に表示回数、クリック率、平均掲載順位を並べます。ここで注意したいのは、掲載順位は平均値だという点です。公式ヘルプでは、平均掲載順位は各クエリでの最上位の掲載順位を、表示されたすべてのクエリで平均した値と説明されています。ページ全体の平均順位だけを見ると、順位の異なる複数のクエリが混ざって実態が見えなくなります。

そのため、ページ単位ではなく、ページとクエリの組み合わせで見ます。表示回数が多く、順位が1ページ目の後半から2ページ目の前半にあるクエリが、最初の候補になります。

計測の不具合を先に除外する

流入が急に減ったように見えるときは、計測の問題か実際の減少かを先に確認します。アクセス解析ツールとSearch Consoleの両方で減少しているかを照合するだけでも、タグの欠落やサイト改修による計測漏れを早い段階で切り分けられます。

この確認を飛ばしてリライトを始めると、実際には減っていない流入を取り戻そうとして、問題のないページを書き換えるおそれがあります。

新規記事より前に確認する打ち手の優先順位

既存ページの引き上げから新規作成までの優先順位の図
既存ページの引き上げから新規作成までの優先順位の図

分解ができたら、打ち手の優先順位を決めます。基本の考え方は、すでにある資産を使う作業を先に、ゼロから作る作業を後に置くことです。既存ページは表示回数という実績をすでに持っているため、手直しの効果を数字で追いやすいからです。

判断に使う3つの軸

打ち手は、次の3つの軸で比べると決めやすくなります。

  • 既に表示回数があるか(実績の有無)
  • 手直しにかかる工数がどれくらいか
  • 結果が出たかどうかを、Search Consoleで確認できるか

新規記事は、この3つの軸すべてで不利です。表示回数の実績がなく、工数は大きく、効果が見えるまでに時間がかかります。これは新規記事が不要という意味ではなく、順番として後ろに置く方が合理的という意味です。

優先順位の目安

優先度打ち手向いている状態工数の目安
1タイトルと説明文の見直し表示回数が多いのにクリック率が低い小さい
2順位が1ページ目後半から2ページ目のページの補強あと一歩で上位に届くクエリがある中くらい
3内部リンクの整理重要なページに内部リンクが少ない小さい〜中くらい
4重複や類似ページの整理同じテーマのページが複数ある中くらい
5新規記事の追加狙うテーマの受け皿そのものがない大きい

この表は一般的な正解ではなく、考え方の例です。サイトの状態によって順番は入れ替わるため、必ず自社のSearch Consoleの数字で当てはめ直してください。

注意したいこと

大量の新規コンテンツを追加したり、古いコンテンツを大量に削除したりしても、それだけで新鮮さによって順位が上がるわけではない、とGoogleは説明しています。出典は https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/creating-helpful-content?hl=ja です。

優先順位を決められないときの考え方

どれから始めるか決められないときは、次の問いに順に答えます。表示回数の多いクエリはあるか。そのクエリのクリック率は低いか。順位は10位前後か。この3つにあてはまるページがあれば、そこが最初の着手先です。あてはまるページが1つもなければ、サイトがそもそもほとんど表示されていない状態なので、インデックスの状況やテーマの選び方の見直しが先になります。

順位が伸び悩むページのリライト

リライト対象の選定から検証までの手順の図
リライト対象の選定から検証までの手順の図

リライトは、流入を増やす作業の中心になります。ただし、全ページを均等に手直しするのは工数が合いません。対象を絞り、何を変えるかを決めてから着手します。

対象ページの選び方

一般的な目安として、平均順位が5位から15位あたりのキーワードを優先して補強する方法が紹介されています。参考としてITトレンドの解説を挙げておきます。

https://it-trend.jp/seo_tool/article/883-8087

この数値は統計に基づく基準ではなく、施策の目安です。大切なのは、数字そのものよりも、順位が動く余地があるクエリに作業を集中させるという考え方です。表示回数が少ないクエリは、順位が上がっても流入の増加幅が小さいため、表示回数の大きいものから選びます。

検索意図とのずれの確認

対象を決めたら、そのクエリで実際に検索し、上位に並ぶページが何を答えているかを見ます。見るべき点は次のとおりです。

  • 上位のページは、手順、比較、定義のどれを中心に書いているか
  • 自分のページは、検索した人が最初に知りたいことに冒頭で答えているか
  • 上位のページにあって、自分のページに欠けている項目はどれか

ここで大切なのは、上位ページの見出しをそのまま真似ることではありません。同じ項目を並べるだけでは、上位ページの後追いにしかならないからです。

独自の情報を足す

Googleは、有用なコンテンツかどうかを自己評価するための観点として、独自の情報、レポート、調査、分析を提供しているか、他のソースの要約や言い換えにとどまっていないかを挙げています。詳細は先ほどの公式ドキュメントにあります。

リライトで足す独自の情報は、大きな調査である必要はありません。自社の運用で分かった失敗の原因、実際の画面の例、判断に迷った点とその決め方など、一次情報として説明できる内容で十分です。逆に、根拠を示せない断定や、日付だけを新しくする更新は、検索エンジンを優先した行為として警告されています。

クリック率の見直し

タイトルと説明文を見直してクリック率を上げる手順の図
タイトルと説明文を見直してクリック率を上げる手順の図

表示回数があるのにクリックされていないページは、順位を動かさなくても流入を増やせる可能性があります。本文を書き換える前に、検索結果に出る部分を見直す価値があります。

タイトルの見直し

Googleのタイトルリンクに関するドキュメントでは、全ページに固有のtitle要素を設定すること、具体的でわかりやすいタイトルにすること、キーワードを詰め込まないこと、テンプレート的な繰り返しを避けることが勧められています。詳しくは次のドキュメントを参照してください。

https://developers.google.com/search/docs/appearance/title-link?hl=ja

見直しのときは、次の点を確認します。

  • 検索した人の疑問に、タイトルだけで答えが予想できるか
  • 同じ語句を繰り返して、不自然になっていないか
  • サイト内の他のページと、ほとんど同じタイトルになっていないか

なお、Googleはtitle要素以外にも、見出しやアンカーテキストなど複数の情報からタイトルリンクを生成し、手動では変更できないとしています。そのため、タイトルを変えても、検索結果にそのまま反映されるとは限りません。

説明文の見直し

ページの説明文(meta description)は、順位を直接動かす要素ではなく、クリックするかどうかの判断材料として使われる部分です。記事の結論と、読むことで得られるものを、一文ずつ入れる形が基本です。ページごとに固有の文章にし、複数のページで使い回さないようにします。

変更後の検証

タイトルや説明文を変えたら、必ずSearch Consoleで変更前後を比較します。比較の際は、表示回数が同じ規模の期間を選び、順位が大きく動いていないことを確認したうえでクリック率を見ます。順位が変わった期間と重なると、クリック率の変化が文言の効果なのか、順位の変化なのかを区別できなくなるためです。

また、一度に複数のページを同時に変えると、どの変更が効いたのか分からなくなります。少数のページで試し、結果を確認してから広げる方が安全です。

内部リンクと更新運用の土台

内部リンクと更新運用の見直し項目の図
内部リンクと更新運用の見直し項目の図

最後に、個別のページではなく、サイト全体の土台と運用を見直します。更新が止まっているサイトでは、ここに手を付けないまま個別の改善を続けても、効果が続かないことがあります。

内部リンクの整理

重要なページに内部リンクが少ないと、サイト内で目立たない存在になり、クローラーにも見つけてもらいにくくなります。関連するページ同士にリンクを張り、重要なページへの導線を複数作ります。リンクのアンカーテキストは、リンク先の内容が分かる言葉にします。

また、検索結果に出したくないページがある場合は、robots.txtによるクロール制限だけに頼らず、noindexを使います。Googleのドキュメントでも、robots.txtで制限してもインデックス登録を防げない場合があると説明されています。

更新が止まったサイトの最小運用

予算や人手が足りず、更新が止まっているサイトでは、無理に毎週の更新を目指すと続きません。続けられる量に絞ります。たとえば、月に一度、次の作業だけを行います。

  • Search Consoleで表示回数の多いクエリの中から、クリック率の低いものを3つ選ぶ
  • そのページのタイトルと説明文を見直す
  • 順位が10位前後のページを1本選び、冒頭と見出しを検索意図に合わせて直す
  • 結果を前月と比べて記録する

この程度の作業量でも、数か月続ければ、どの打ち手が自分のサイトで効くのかというデータが残ります。大がかりな施策の前に、小さな検証を積み重ねる方が、判断の根拠が増えます。

避けたい更新

流入を急いで増やそうとして、次のような作業に手を出すことがあります。いずれも、狙った効果が出にくく、かえってサイトの状態を悪くするおそれがあります。

  • 中身を変えずに更新日だけを新しくする
  • 検索から来ていないからという理由だけで、記事を大量に削除する
  • 同じテーマの記事を、少しずつ言い換えて量産する
  • 購入したリンクで外部リンクを増やす

日付だけの更新は、Googleのドキュメントでも検索エンジンを優先した行為として警告されています。流入を増やす作業は、読んだ人の役に立つ形に直すことが前提になります。

よくある質問

Q. 検索流入が増えるまで、どれくらいかかりますか

期間を保証することはできません。Googleが変更を認識するまでの時間は、サイトの規模やページの状態によって変わるためです。反映までの時間はサイトやページごとに異なるため、数週間単位で変更前後を比較して判断します。まずは変更前後を記録できる状態にしておくことが重要です。

Q. 新規記事はまったく書かなくてよいのでしょうか

そうではありません。狙うテーマの受け皿となるページがそもそもない場合は、新規記事が必要です。この記事で述べたのは、新規記事を書く前に、既存ページの確認を先に行う順番です。既存ページを確認した結果、受け皿がないと分かったテーマについては、新規記事で埋めます。

Q. 流入が減っているのに、順位は変わっていません。原因は何でしょうか

順位が変わらずに流入が減る場合は、クリック率の低下か、検索需要そのものの減少が考えられます。検索結果の表示形式が変わってクリックが分散している場合もあります。Search Consoleで表示回数、クリック率、順位の3つを同じ期間で並べて、どれが動いたかを確認してください。

Q. どの打ち手から始めるべきか自分では判断できません

表示回数が多く、クリック率が低いページが1つでもあれば、タイトルと説明文の見直しから始めるのが安全です。判断がつかない場合は、現状のSearch Consoleの数字を見ながら優先順位を整理するところから、専門家に相談する方法もあります。

まとめ

検索流入を増やす作業は、新規記事の追加から始めるのではなく、数字の分解から始めます。要点は次のとおりです。

  • 流入は表示回数、順位、クリック率の積として分解し、どこが詰まっているかを先に特定する
  • 打ち手は、すでに表示回数がある既存ページの手直しを先に、新規記事を後に置く
  • 順位が10位前後で表示回数の多いクエリを、リライトの最初の対象にする
  • クリック率の見直しは、タイトルと説明文を少数のページで試し、前後を比較して判断する
  • 更新が止まったサイトは、月に一度の小さな確認作業を続け、効く打ち手のデータを残す

流入が伸びない状態から戻すには、作業量を増やすよりも、作業の順番を整える方が先です。自社のSearch Consoleの数字を見ながら、今月着手する1ページを決めることから始めてください。

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