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内部リンクの貼り方と設計手順、優先して繋ぐページの見つけ方

この記事でわかること
  • 内部リンクが効いていないサイトに共通する4つの状態
  • 全ページのリンク本数を棚卸しして偏りを見つける手順
  • 成果地点のページから逆算する優先順位の決め方
  • アンカーテキストの書き方と、貼り替え後の検証の進め方

記事は増えているのに、狙ったページの順位が動かない。公開直後は少し表示されるのに、数週間で沈んで戻ってこない。サービスページへの流入だけが伸びない。こうした状態の裏側で、内部リンクが実質的に機能していないケースは少なくありません。

内部リンクは、貼れば効くものではありません。どのページからどのページへ、どんな言葉で繋ぐかを決めて初めて意味を持ちます。逆に、関連性を考えずに本数だけ増やした状態は、読者にとっても検索エンジンにとっても情報が薄まるだけです。

この記事では、内部リンクの貼り方そのものよりも、すでに数十から数百ページある状態から、どこを優先して繋ぎ直すかを決める手順を中心に整理します。結論を先に書くと、内部リンクの作業は、貼る前に現状を棚卸しして優先順位を決めた時点でほぼ決まります。棚卸しを飛ばして貼り足すと、もともとリンクが集まっていたページにさらに集中し、埋もれたページは埋もれたままになります。

内部リンクの役割と、貼り方を決める前の前提

内部リンクが同時に担っている3つの役割
内部リンクが同時に担っている3つの役割

内部リンクとは、同じサイト内のページ同士を繋ぐリンクのことです。他のサイトから受ける外部リンクと違い、自分たちの判断だけで設計を変えられる数少ない要素にあたります。だからこそ、社内で手を入れられる領域として優先度が高くなります。

貼り方の話に入る前に、内部リンクが何を運んでいるのかを整理しておきます。ここが曖昧なまま作業に入ると、リンクの本数を増やすことが目的になってしまいます。

内部リンクが検索エンジンに伝える情報

ひとつは、ページの存在そのものです。検索エンジンのクローラーはリンクをたどってページを見つけるため、どこからも繋がれていないページは発見の経路がありません。もうひとつは、そのページが何について書かれているかという手がかりです。リンクの前後の文とアンカーテキストが、リンク先の内容を説明する材料になります。

さらに、サイト内でリンクがどこに集まっているかは、そのサイトがどのページを重要だと考えているかの表明でもあります。トップページや主要カテゴリからの距離が遠く、リンクも入っていないページは、サイト側が重視していないページとして扱われても仕方がありません。

クロールできるリンクの書き方

Googleは、クロールの対象になるのはhref属性を持つa要素であると明記しています。JavaScriptのイベントハンドラだけで遷移する実装や、href属性を持たない要素は、リンクとして扱われない可能性があります。出典は以下のドキュメントです。

https://developers.google.com/search/docs/crawling-indexing/links-crawlable

自社サイトで凝った動きのナビゲーションやタブ切り替えを入れている場合、見た目はリンクでも実装がリンクになっていないことがあります。内部リンクを設計し直す前に、主要な導線がa要素とhref属性で書かれているかを確認しておくと、後の作業が無駄になりません。

読者の移動経路としての内部リンク

検索エンジン向けの話に寄りがちですが、内部リンクは読者の移動経路そのものです。ある記事を読み終えた人が次に知りたいことは、たいていその記事の内容から推測できます。費用の記事を読んだ人は依頼先の選び方を知りたくなり、用語解説を読んだ人は具体的な手順を探します。

ここがポイント

リンク先の候補を考えるときは、この記事を読み終えた人が次に検索する言葉は何か、と言い換えると決めやすくなります。

内部リンクが効いていないサイトに共通する状態

内部リンクが効いていないサイトに共通する4つの状態
内部リンクが効いていないサイトに共通する4つの状態

立て直しの相談を受けるサイトでは、内部リンクが完全に無いというより、あるにはあるが効く形になっていない状態が目立ちます。先に典型例を挙げておくと、自社の状況がどれに当たるかの見当がつきます。

どこからもリンクされていない孤立ページ

一覧ページとサイトマップからしか到達できず、本文中からのリンクが1本も入っていないページです。公開直後は一覧の先頭にあるため拾われますが、新しい記事が積み上がると一覧の奥へ移動し、実質的にどこからも繋がれていない状態になります。

新着順の一覧だけが導線になっている構造

カテゴリ分けが形だけで、実際の回遊が新着順の並びに依存している状態です。この構造では、古い記事ほど到達しにくくなります。内容が古びていない記事まで一律に沈むため、過去の資産が使われないまま眠ります。

アンカーテキストが説明になっていない記事

リンク箇所がすべて「詳しくはこちら」で統一されているパターンです。Googleはアンカーテキストについて、内容が具体的で、リンク元とリンク先の両方に関連するテキストが望ましいとしています。こちらや詳細といった大雑把な表現は避けるよう案内されています。

https://developers.google.com/search/docs/crawling-indexing/links-crawlable

関連記事枠の自動出力に任せきりの状態

タグやカテゴリをもとにした自動表示だけで済ませている状態です。枠そのものは有効ですが、関連度の判定がタグの一致に依存するため、狙って繋ぎたいページに繋がるとは限りません。自動枠は補助と位置づけ、意図した繋ぎは本文中で行うのが基本になります。

注意したいこと

リンクを増やすほど良いと考えて、1記事に何十本も貼るのも避けたい状態です。どれが本命の導線かが読者にも伝わらなくなり、クリックが分散します。

現状の内部リンクを棚卸しする手順

内部リンクを棚卸しする手順
内部リンクを棚卸しする手順

貼り直しの前に、いま何がどう繋がっているかを表にします。この工程を省くと、感覚で繋ぎやすいページばかりに手が入り、偏りが解消されません。

全ページを1枚の表に並べる

URL、狙っているキーワード、公開日、受けている内部リンクの本数、発しているリンクの本数を列に取り、全ページを行に並べます。数十ページ規模なら表計算ソフトで手作業でも組めますし、クロールツールを使えばリンク本数は機械的に取得できます。

この表の目的は、リンクが集まっているページと0本のページを一目で分けることです。並べ替えるだけで、手を入れるべき対象がはっきりします。

Search Consoleのリンクレポートで偏りを見る

Search Consoleのリンクレポートでは、サイト内から最も多くリンクされているページと、特定のページにリンクしているページを確認できます。手元の表と突き合わせると、自分たちの認識と実際の集まり方のずれが見えます。

https://support.google.com/webmasters/answer/9049606

よくあるずれは、重要だと考えているサービスページよりも、運営者情報やプライバシーポリシーのほうが内部リンクを多く受けているというものです。全ページ共通のフッターから繋がっている以上、本数だけならそうなります。ここで見るべきは共通枠を除いた本文中からのリンクがどこに集まっているかです。

重複した導線と孤立ページの整理

同じページに対して、末尾スラッシュの有無やパラメータ付きなど別のURLで繋いでいる箇所があれば、正規のURLに統一します。評価が分散するだけでなく、クロールの効率も落ちます。Googleはクロールの管理について、重複を除いて一意のコンテンツだけがクロールされる状態を目指すよう案内しており、この観点を気にすべき規模の目安として、重複のないページが1万以上で毎日更新されるサイト、あるいは100万以上のサイトを挙げています。

https://developers.google.com/search/docs/crawling-indexing/large-site-managing-crawl-budget

つまり、数百ページ規模のサイトでクロールの上限を心配する必要はほとんどありません。それでも重複URLの統一に意味があるのは、リンクの評価を一箇所に集めるためです。

優先して繋ぐページの決め方

優先して内部リンクを集めるページの順番
優先して内部リンクを集めるページの順番

棚卸しで対象が見えたら、どのページにリンクを集めるかを決めます。すべてのページを均等に扱う必要はありません。作業時間は有限なので、成果に近い順に配ります。

申し込みや問い合わせに直結するページを最優先にする

サービスページ、料金ページ、資料請求ページなど、成果地点に近いページから逆算します。記事への流入が伸びているのに問い合わせが増えない場合、記事から成果地点への導線が本文中に無いことが原因になっているケースがあります。

ただし、関連性の無い記事から無理に繋ぐのは逆効果です。読者の関心が成果地点に向いている文脈、たとえば費用の話や体制の話が出てくる箇所に限って繋ぎます。

あと一歩で上位に届いていない記事を選ぶ

Search Consoleの検索パフォーマンスで、平均掲載順位が2ページ目前後にある記事を抜き出します。表示回数はあるのにクリックが少ない状態の記事群です。ここに内部リンクを集めると、順位が1ページ目に入ったときの流入の伸び幅が大きくなります。

順位が大きく離れているページに同じ作業をしても、内部リンクだけで埋まる差ではないことが多く、コンテンツ自体の見直しが先になります。

トピックの中心になる記事に集約する

同じテーマの記事が複数あるなら、その中で最も網羅的な記事を中心に据え、周辺記事から中心へリンクを集めます。中心の記事からも各周辺記事へ繋ぎ、相互に行き来できるようにします。テーマごとのまとまりが作れると、どの記事がどの検索意図を担当しているかが自分たちにも見えるようになります。

優先順位表への落とし込み

決めた順番は表に列を足して残します。優先度、繋ぎ元の候補、使うアンカーテキスト、作業日を並べておくと、複数人で進めても重複や漏れが起きません。

優先度対象繋ぎ元の候補狙い
1成果地点のページ費用や体制に触れる記事流入を問い合わせへ渡す
22ページ目の記事同テーマの上位記事順位の押し上げ
3トピックの中心記事周辺記事すべてテーマの軸を作る
4新規記事関連する既存記事発見経路の確保

内部リンクの貼り方と設置場所の使い分け

設置場所ごとの役割分担
設置場所ごとの役割分担

繋ぐ先が決まったら、実際の貼り方に入ります。設置場所によって役割が違うため、同じ扱いにしないことが要点です。

本文中のテキストリンクを主役にする

評価を動かしたいときに触るのは本文中のリンクです。前後の文が文脈を補うため、リンク先が何についてのページかが伝わります。位置は、そのページの説明が必要になった箇所です。記事の末尾にまとめて並べるより、話題が出てきたその場で繋ぐほうが読者の行動に合います。

アンカーテキストの決め方

リンク先ページが狙っているキーワードを含みつつ、文として自然に読める形にします。リンク先のタイトルをそのまま使うと長くなりすぎることがあるので、中身を表す語句に短く言い換えます。

  • 避けたい形: こちら、詳細はこちら、この記事
  • 望ましい形: リンク先の内容を表す具体的な語句を含む短い文言
  • 同じページへのリンクでも、文脈に応じて文言は変えてよい

同一のアンカーテキストを機械的に全記事へ差し込むと、不自然な繰り返しになります。文脈に合わせて言い換えるほうが、読者にとっても内容が伝わります。

パンくずと共通枠の役割

パンくずリストやグローバルナビゲーションは、現在地を示して上位階層へ戻すための構造的な導線です。全ページに同じ形で入るため、特定ページの評価を動かす手段としては期待しにくい位置づけになります。階層が正しく反映されているかを確認したら、そこで手を止めて本文中の作業に時間を使うほうが効率的です。

1ページあたりの本数の考え方

上限の決まった数字はありません。目安として、本文中の意図したリンクは記事の長さに応じて数本から十数本程度に収め、どれも文脈上の必然性があるかどうかで判断します。関連記事枠や共通枠のリンクは、この数には含めずに考えます。

貼り替えたあとの検証と運用への組み込み

貼り替えたあとの検証サイクル
貼り替えたあとの検証サイクル

内部リンクの作業は、一度やって終わりにすると数ヶ月で元の状態に戻ります。記事が増えれば構造は変わるためです。検証と運用のルール化まで含めて設計します。

記録の残し方

どのページからどのページへ、どのアンカーテキストで、いつ繋いだかを残します。記録が無いと、順位が動いたときに何が効いたのか分からず、次の記事に活かせません。棚卸しに使った表に作業日の列を足すだけでも十分です。

見る指標と待つ期間

リンク先ページの表示回数と平均掲載順位を、変更前の同じ長さの期間と並べて比較します。すぐには動かないため、少なくとも数週間から1ヶ月程度は様子を見ます。同じ時期に記事の書き直しや他の施策を重ねると原因の切り分けができなくなるので、検証したい対象を絞ることをおすすめします。

記事制作の手順に組み込む

新しい記事を公開するたびに、その記事から既存記事へ繋ぐだけでなく、既存記事からも新記事へ戻すリンクを入れる。これを公開前のチェック項目に入れておくと、孤立ページが生まれにくくなります。内部リンクは施策としてまとめてやるものではなく、公開作業の一部として毎回発生させるほうが維持しやすいという考え方です。

社内で運用を続けるための線引き

内部リンクの設計は、外注先に任せきりにすると記事単位の作業に閉じがちです。サイト全体の構造をどうしたいかは社内にしか決められないため、方針と優先順位は社内で持ち、記事内の実装は制作フローに落とすという分け方が現実的です。

よくある質問

内部リンクは1記事に何本まで貼ってよいか

明確な上限はありません。本数より、それぞれのリンクに文脈上の理由があるかで判断します。読者が読んでいて不自然に感じるほど差し込まれているなら多すぎます。

古い記事から新しい記事へ繋ぐのと、その逆はどちらが良いか

どちらも必要です。新しい記事から既存記事へ繋ぐだけでは、新記事が孤立しやすくなります。公開時に、既存記事から新記事へ戻すリンクも入れる運用にしてください。

内部リンクを直せば順位は上がるか

内部リンクだけで順位が決まるわけではありません。内容が検索意図に合っていない記事は、リンクを集めても届きにくいままです。内容に問題がなく、発見や評価の集約に課題があるページで効きやすい施策だと捉えるのが妥当です。

効果が出るまでどのくらいかかるか

サイトの規模やクロールの頻度によって変わるため、一律の期間は言えません。リンク先ページが再クロールされ、リンクレポートに反映されてから順位や表示回数を見るという順番になります。

まとめ

内部リンクの貼り方を整理してきました。要点は次の通りです。

  • 内部リンクは、発見の経路、内容の手がかり、読者の移動経路を同時に担う
  • 効いていない状態は、本数不足よりも孤立ページと導線の偏りとして現れる
  • 貼り足す前に、全ページのリンク本数を1枚の表にする棚卸しから入る
  • 繋ぐ先は、成果地点のページ、2ページ目の記事、トピックの中心記事の順で優先する
  • 評価を動かすのは本文中のテキストリンク。アンカーテキストはリンク先の中身を説明する言葉にする
  • 貼った記録を残し、公開作業の一部として繰り返せる形にする

内部リンクは、予算をかけずに社内の判断だけで着手できる数少ない領域です。まずは手元のサイトで、本文中からのリンクが1本も入っていないページがどれだけあるかを数えるところから始めてみてください。

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