- 文字単価・記事単価・月額契約の相場と、幅が広い理由
- 見積もりの内訳と、含まれる工程の確認方法
- 単価だけで選ぶと起きやすいこと
- 成果が見えない外注の原因の切り分けと立て直し
SEO記事の外注を検討し始めると、最初にぶつかるのが「結局いくらが妥当なのか」という問いです。検索すると1文字1円から10円、1記事3,000円から10万円と、桁が変わるほどの幅が出てきます。この幅のどこに自社が入るのかが分からないまま見積もりを受け取ると、安い案にも高い案にも判断の軸がなく、最後は「一番安いところ」か「一番丁寧に説明してくれたところ」で決めてしまいがちです。
もう一つ、見落とされやすい点があります。記事単価は外注費の一部にすぎません。キーワード選定、構成、執筆、監修、入稿、公開後のリライトのうち、どこまでが見積もりに含まれているかで、同じ「1記事3万円」でも中身がまったく違います。さらに、単価を抑えて本数を増やした結果、順位が取れず、数か月後に記事を直すための追加費用が発生するケースも少なくありません。
この記事では、公開されている相場情報を出典つきで整理したうえで、単価の内訳の読み方、単価だけで選ぶと起きやすいこと、すでに外注していて成果が見えないときの立て直し方までを順に説明します。結論を先に書くと、相場は文字単価の比較ではなく、どの工程を誰が担うかの比較として読むのが正確です。
SEO記事外注の費用相場

相場は「文字単価」「記事単価」「月額契約」の3つの形で語られます。まず、公開されている情報から読み取れる範囲を整理します。ここで挙げる数値は各社が自社の見解として公開しているもので、統計調査の結果ではありません。あくまで目安として扱ってください。
文字単価の相場
クラウドソーシング大手のクラウドワークスが公開している記事では、依頼先ごとの目安として次のように書かれています。個人への依頼は1文字1円から、代行会社は1文字1円から10円程度で、平均的には1文字3円から5円程度が一つの境目、クラウドソーシングは1文字0.5円から5円程度で、専門性のある内容は1文字1.5円から3円程度が目安とされています。
- 個人への依頼: 1文字1円から
- 代行会社: 1文字1円から10円程度(3円から5円程度が一つの境目)
- クラウドソーシング: 1文字0.5円から5円程度
出典: https://crowdworks.jp/times/know-how/5641
HubSpotの解説記事をもとにしたStart-Linkの記事では、3,000字の記事を前提に、1文字2円で6,000円、5円で15,000円、10円で30,000円、20円で60,000円という4段階の例が示されています。出典は https://start-link.jp/hubspot-ai/btob-marketing/content-marketing-seo/seo-article-outsourcing-cost です。
この2つを並べると分かるように、同じ「文字単価」でも上限は10円程度から20円程度まで開きます。掲載元によって想定している記事の専門性や工程の範囲が違うためです。3,000字の記事を1文字3円から5円で発注すると、計算上は9,000円から15,000円になります。
記事単価と月額契約の相場
制作会社やコンテンツSEOの支援会社は、文字単価ではなく記事単価で提示することが多くなります。StockSunの解説では、コンテンツSEOは1記事3万円から10万円、SEOコンサルティングは月額20万円から100万円と紹介されています。出典は https://stock-sun.com/column/seo-outsourcing/ です。
Start-Linkの記事では、記事単価は1万円から30万円、月額契約は月10万円から200万円で、プランによって月4本から16本以上と幅があると説明されています。
- 記事単価: 1万円から30万円(作業内容で変動)
- 月額契約: 月10万円から200万円(本数・支援範囲で変動)
ここで注意したいのは、月額契約には記事の執筆費だけでなく、戦略設計や効果測定、定例会の運営などが含まれることがある点です。月額を本数で割った単価を、そのまま他社の記事単価と比べるのは適切ではありません。
相場の幅が広い理由
相場の幅が大きい理由は、主に3つあります。
- 工程の範囲: 執筆のみか、キーワード選定・構成・入稿・効果測定まで含むか
- 記事の専門性: 一般的な解説か、専門家の監修や一次情報の取材が必要か
- 納品後の扱い: 納品で終わりか、順位を見てリライトまで行うか
相場を調べるときは、金額の大小よりも、その金額が上の3点のどこまでを含んだ数字なのかを必ず確認します。見積もりを比較する際も、同じ条件に揃えて並べ直すのが最初の作業です。
単価を決める要素と見積もりの内訳

見積もりの総額は、いくつかの要素の積み上げでできています。内訳を分解して見られるようになると、高い安いの判断がしやすくなります。
工程ごとの費用の考え方
SEO記事の制作は、大きく次の工程に分かれます。
- キーワード選定と検索意図の調査
- 競合の分析と構成案の作成
- 執筆
- 編集・校正・ファクトチェック
- 入稿と公開作業
- 公開後の順位確認とリライト
文字単価だけで見積もられている場合、多くは執筆と最低限の校正だけが含まれています。構成案を発注側が用意する前提の単価なのか、構成から任せられる単価なのかで、同じ金額でも依頼できる範囲は大きく変わります。見積もりを受け取ったら、上の6工程のどこからどこまでが含まれているかを、項目ごとに確認してください。
専門性と監修のコスト
医療、金融、法律のように誤りが読者に影響しやすい分野では、専門家の監修が前提になります。Googleは検索品質に関する公開ガイダンスで、信頼性を最も重要な要素と位置づけています。出典は https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/creating-helpful-content?hl=ja です。専門性が求められる分野で監修費が別建てになるのは自然なことで、これを削って単価を下げると、記事の信頼性そのものが損なわれます。
一方で、SEOやマーケティングのように自社の知見が中心になる分野では、外部ライターに全文を任せるより、社内の担当者の見解や実例をライターに渡して形にしてもらうほうが、独自性のある記事になります。この場合、ライターの執筆力より、社内から一次情報を引き出す工程のほうが費用の中心になります。
オプション費用と追加費用
見積もりに載りにくい費用もあります。
- 画像や図表の制作費
- 修正回数が上限を超えたときの追加費用
- 公開作業(CMSへの入稿、装飾)の費用
- 公開後のリライトの費用
- 取材や監修の謝礼
注意したいこと
見積書に「画像制作」「修正対応」「入稿」の記載がない場合は、含まれていないのか、含まれているのかを契約前に必ず確認してください。後から別料金で請求されるケースは、トラブルの典型です。
単価だけで選ぶと起きやすいこと

単価の安さが悪いのではありません。問題は、単価を下げる過程で何が削られるのかを把握しないまま発注することです。ここでは、単価優先で進めたときに起きやすいことを、仕組みの面から説明します。
検索意図とのずれ
キーワードと見出しの指定だけで発注すると、検索意図の調査が誰の仕事にもならないことがあります。すると、上位ページが答えている疑問とは違うことを書いた記事ができあがります。文章としては読めても、検索結果で上位に入る理由がありません。記事数が増えても順位が取れず、流入が積み上がらないのが典型的な症状です。
対策として、発注前に次の3点を自分で確認しておくと、ずれを防ぎやすくなります。
- 狙うキーワードで実際に上位表示されているページを3本以上読む
- そのページが答えている疑問と、自社が答えられる疑問の差を書き出す
- 構成案の段階で、上位ページにない切り口が入っているか確認する
量産による価値の希薄化
単価を抑えるために本数を増やす方針は、別の問題を生みます。Googleのスパムポリシーは、ユーザーへの価値を付加せず、検索ランキングの操作を主な目的として大量のページを生成することを、大規模コンテンツの不正使用として扱っています。この考え方は、生成AIか人の手かといった作り方を問わず適用されます。出典は https://developers.google.com/search/docs/essentials/spam-policies?hl=ja です。
外注で量を増やす場合も、この基準は他人事ではありません。中身が似通った記事を大量に公開すると、個々の記事の評価が下がるだけでなく、サイト全体の信頼にも響く可能性があります。本数を増やす前に、1本ごとに読者にとって新しい情報が入っているかを確認する運用が必要です。
納品後に直せない体制
もう一つ見落とされやすいのが、納品後の責任範囲です。記事が公開されたあとに順位が動かなかった場合、誰がどの基準で原因を調べ、誰が直すのかが決まっていないと、記事は放置されます。単価を抑えた契約では、修正の回数や期間に上限が設けられていることがあるため、契約前に確認が必要です。
ここがポイント
発注前に、公開後3か月の時点で順位を確認する担当と、直す担当を決めておきます。決められない場合は、記事単価に加えて、リライトの費用を別枠で予算化しておくのが現実的です。
依頼先ごとの違いと選び方

外注先には大きく3つの種類があります。相場の数字は、どの依頼先かによって読み方が変わります。
フリーランスとクラウドソーシング
フリーランスやクラウドソーシングは、単価を抑えやすく、小さく試しやすい点が利点です。一方で、ライターごとの品質差が大きく、SEOの知識や検索意図の読み解きは発注側が補う前提になります。構成案を自社で作れる、あるいは発注側にSEOの判断ができる担当者がいる場合に向いています。
逆に、キーワード選定から任せたい場合や、成果の責任まで求める場合には、この形は向きません。ライターは記事を納品する役割で、順位の責任を負う契約ではないためです。
コンテンツ制作会社と代行会社
制作会社や代行会社は、編集者が入り、校正や品質管理の仕組みがあります。記事単価は上がりますが、一定の品質を期待でき、本数を安定して確保できます。見積もりでは、編集者が何をチェックするのか、修正は何回まで含まれるのかを確認します。
ただし、制作会社は基本的に記事の制作に強く、サイト全体の設計や効果測定は範囲外のことがあります。記事は納品されたが、サイトの構造や内部リンクの問題で順位が上がらない、という状況は起こり得ます。
SEO支援会社とコンサルティング
SEO支援会社は、戦略設計、キーワード選定、効果測定までを含めて関わります。月額費用は高くなりますが、記事単価だけでは測れない成果の設計が範囲に入ります。依頼するときは、何をもって成果とするのか、どの指標を誰が見るのかを契約前に言語化してもらいます。
- 記事の納品が目的なら、フリーランスか制作会社
- 順位や流入の改善が目的なら、SEO支援会社
- 社内に判断できる人がいるなら、部分的な外注とのハイブリッド
どの依頼先を選ぶ場合も、担当者の実績や進め方は、公開されている範囲と打ち合わせで確認します。比較は仕組みと条件で行い、特定の会社の良し悪しを評価軸にしないのが、判断を誤りにくくするコツです。
すでに外注していて成果が見えないときの立て直し

すでに外注していて、記事は増えているのに成果が見えない場合は、やみくもに依頼先を替える前に、原因の場所を切り分けます。ここでは、立て直しの視点から整理します。
原因の切り分け
成果が出ない原因は、大きく3つのどれか、あるいは複数の組み合わせです。
- 企画の問題: 狙っているキーワードや検索意図の選び方が合っていない
- 記事の問題: 構成や内容が、上位ページに比べて不足している
- サイトの問題: 内部リンクやインデックス状況など、記事以外の要因
Google Search Consoleで、記事ごとの表示回数、クリック数、平均掲載順位を確認すると、切り分けの手がかりが得られます。表示回数が少ないならインデックスや企画の問題、表示はされるのにクリックされないならタイトルや説明文の問題、順位が低いなら内容の不足が疑われます。
既存記事の見直し
成果が見えない記事でも、すぐ捨てる必要はありません。順位が11位から30位あたりにいる記事は、リライトで上位を狙いやすい候補になります。新しい記事を外注して積むより、すでにある記事の中から見直す対象を絞るほうが、費用対効果は読みやすくなります。
見直しの優先順位は、次のように決めると進めやすくなります。
- 表示回数が多く、順位が中位の記事
- 狙っているキーワードの検索意図とずれている記事
- 公開から時間が経ち、情報が古くなっている記事
契約と運用の見直し
原因が企画や運用の設計にあるなら、依頼先を替えるより、契約の範囲を見直すほうが有効なことがあります。たとえば、記事単価のみの契約から、公開後のリライトと効果測定を含む契約へ変える、あるいはキーワード選定の工程だけ別の担当に切り出す、といった調整です。
一方で、依頼先が順位の確認や改善提案をしない、報告の内容が納品本数だけ、といった状態が続くなら、乗り換えも選択肢です。乗り換える際は、現在の記事の原稿データや、キーワード選定の資料を引き継げるかを、契約書で確認してください。
原因の切り分けや、乗り換えが妥当かの判断に迷う場合は、第三者に現状の記事と数値を見てもらうのも一つの方法です。
よくある質問
1記事いくらが妥当ですか
一つの金額で答えるのは難しく、工程の範囲と記事の専門性で変わります。公開されている目安では、文字単価3円から5円程度が代行会社の一つの境目とされ、3,000字で9,000円から15,000円が計算上の目安です。専門家の監修や構成、リライトまで含む場合は、記事単価が数万円になることもあります。出典は上で挙げた各URLを確認してください。
文字単価と記事単価はどちらで比較すべきですか
工程の範囲が揃っているなら、どちらでも比較できます。揃っていない場合は、どちらの単価で見ても比較になりません。まず、含まれる工程を揃えて並べ直すのが先です。
安い外注先に発注して失敗したときはどうすればよいですか
記事を一括で捨てるのではなく、Search Consoleで順位と表示回数を見て、リライトの候補を絞ります。そのうえで、原因が企画、記事、サイトのどこにあるのかを切り分けます。
外注と内製はどちらが向いていますか
自社に一次情報や専門知識があり、判断できる担当者がいるなら、内製を中心に部分的に外注する形が合います。人手が足りない、あるいは立ち上げ期で知見がない場合は、外注の比重を高めるのが現実的です。
まとめ
- 相場は文字単価で1円から10円程度、記事単価で数千円から数十万円と幅があり、範囲は掲載元ごとに異なる
- 金額の比較より先に、含まれる工程とオプション費用を揃えて確認する
- 単価優先で発注すると、検索意図のずれ、量産による価値の希薄化、納品後に直せない体制が起きやすい
- 依頼先は、目的が記事の納品か、順位や流入の改善かで選び分ける
- 成果が見えないときは、企画、記事、サイトに原因を切り分けてから、リライトや契約の見直しを検討する
記事の外注は、単価を決める作業ではなく、誰がどこまで責任を持つかを決める作業です。相場は、その判断をするための物差しとして使ってください。
